木は自然のエアコン
木の家を長持ちさせるには、湿気・結露のない、そして水による被害の出ないつくりで構造部分を腐らせないことです。そうすることで、長寿命の家になります。
木の欠点もあります。湿気を吸って膨張したり、乾燥によるひび割れ、あばれなどがあります。ただそれ以上に、人間に与えてくれる自然素材の良さがあります。それは、人に与える温もり、やわらかさ、調湿作用、低い熱伝導率、適度な弾力性、紫外線の吸収、自然な吸音性、脳へ与えてくれるリラックス効果などです。
木はエアコンの威力「調湿作用」
木は自然のエアコンの働きをします。湿度が高ければ空気中の水分を吸収し、湿度が低く乾燥していれば水分を放出して、家中の湿度を一定に保ってくれます。
単に調整するのではなく、人間の最も過ごしやすい湿度にしてくれます。
湿気・結露のない家づくり
湿気・結露はいろんな病気の原因になります。
鉄骨・鉄筋コンクリートの家づくりは、梅雨時に1日中閉め切っていると、湿気で布団や衣類が湿っぽくなり、北面の壁の中、2階の天井の上などは結露でカビが生えます。
このことが頭痛・小児喘息・アレルギー・アトピーなどの病気の原因にもなるのです。
通常、1本の柱(10.5cm角の長さ3m)は、ビール瓶の大瓶3本分、約1.9リットルの水分を吸収し、冬に乾燥してくると0.5本分の約0.3リットルの水分を放出します。
怖いカビの害
アトピー性皮膚炎や喘息は、ダニやカビによるアレルギー反応です。特にダニの糞や死骸・カビの胞子といった微細な異物が体内に侵入すると、それらを攻撃する目的で「免疫グロブリンE」と呼ばれる抗体がつくられます。外部から入ってきた抗原と抗体が激しくぶつかると、アレルギーを引き起こしてしまうのです。
アトピー喘息~2人に1人がアレルギー~
日本人の9歳以下の子供の40.9%がアトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・喘息といったアレルギー性の病気にかかっています。アトピー性皮膚炎と全国民の発病率4~6%の喘息が深刻な問題となっています。
最近の住宅にカビが増えてきたのは、隙間のない家ができたことや、暖房器具で水蒸気が出るものが増えたことが挙げられます。
人は寝ている間にコップ一杯分の汗が出ます。そのうちの半分は布団などに吸収されてしまいます。そのまま押入れなどに入れてしまえば結露します。
冬期には、喉が乾燥すると風邪をひきやすくなるので、医者はストーブなどで湯気(水蒸気)を出すようにすすめますが、一方で、北側に面する壁・押入れなどは結露し、カビが発生して喘息やアレルギーを引き起こす原因になります。
とにかく湿度が50~60%になっても、結露が起きない家づくりをすることが重要です。
湿気・結露対策に外断熱工法と木の住まい
カビの発生を抑えるということは、結露・湿気のない家をつくることに直結します。結露対策として、建物の内部に低温部をつくらないことが決め手になります。
弊社の家づくりは、外断熱工法を用いて低温部をつくらないように、家全体(屋根・外壁・1F床面)に断熱材を施工する「外断熱工法」を標準工事としています。北面の陽を受けない壁面にも、冷たい壁面をつくらないようにしています。
また、内装材に調湿作用のある木を使うことにより、湿気を軽減し吸水する家にすることで結露を防ぐことができます。そして、天然木のフローリング・壁・天井材などに、天然木の羽目板を使用してさらに効果を高めます。